南野が空へ行くのを見送ってきた。

私の曲で「大好きです!」と言ってくれた曲は沢山あったが
日本語詞の曲で一番好きだと言ってくれた
『bright lights』を通夜で歌った。

ご親族のご意向で歌ってほしいと言っていただいた。
とてもありがたかった。

でも何度も何度も歌う事を断ってきた。
目が覚めたのは前日直接電話を掛けてきてくださった
デジターボの小坂社長の言葉だった。

「声で、空気で、振動で、
 南野くんの身体へ木村さんの声を直接届けてほしい。
 空に行ってしまう前に・・・。」

歌う前、少ししゃべったけど
何一つうまい事が言えなかった。

けど南野の目を見ながら
笑われそうなくらい懸命に歌った。


ゲームミュージックという
全く接点がなかった世界の中で

「木村さんのまんまでいいです。
 いつものようにスタイルを変えずに
 英語で主題歌を作ってください。」

という言葉と共に南野と初めて手を組んだ作品
『sweet pool』が最高の出来で仕上がった。

歌詞やアイデアに煮詰まった時は
私が納得が出来るまで付き合ってくれた。

自分の足でCDショップに出向き
頭を下げてアルバム『 I 』を置いてもらっていた。

南野の情熱は誰にも真似出来ない熱いものだ。

通夜で必死に歌った時、
私は私のやり方、情熱で
南野からもう一度、いや何度でも
「木村さん、凄いっす!」と言われたいと思った。

失いそうになっていた情熱。
でも南野の目を見てたら負けてらんねぇって思った。

『sweet pool』の中で
「永遠なんてない」と歌った曲があるが、
南野は永遠になった。

永遠に心の中で生きる。
目を閉じればいつでも逢える。
だから一緒に前へ前へ連れて行く。

明日からまた前へ進む旅はスタートします。


南野へ。
心からありがとう。
私はいつまでもGEORIDEの家族です。


木村世治